雨の日に洗車する人をみた
2007年1月17日ベランダの手すりにぶら下がった雨は「今日はどこにもいかなくていい」のしるし?いえいえ、いつもそうとは限らない。「それでも出かけなくてはならない」形をしていた、今日のしずくは。
雑事をやっつけて歩くいちにち。
雨の日に洗車する人を見た。泡だらけの車に真剣に取り組んでいた。その懸命さが心に引っかかった。
雨の音が聞こえないな。車が通りすぎるときだけ雨が降っていることを思い出す。テレビは死のニュースを垂れ流す。遺体をバラバラにするなんて信じられませんと皆がいう。そうだろうか?どうしてそう思うんだろう。誰しもバラバラにしようと思うのではないか。
今夜は早寝しましょう。ろくな考えが浮かばないこんな夜は。
雑事をやっつけて歩くいちにち。
雨の日に洗車する人を見た。泡だらけの車に真剣に取り組んでいた。その懸命さが心に引っかかった。
雨の音が聞こえないな。車が通りすぎるときだけ雨が降っていることを思い出す。テレビは死のニュースを垂れ流す。遺体をバラバラにするなんて信じられませんと皆がいう。そうだろうか?どうしてそう思うんだろう。誰しもバラバラにしようと思うのではないか。
今夜は早寝しましょう。ろくな考えが浮かばないこんな夜は。
西向きの窓辺にて
2007年1月16日陽だまりに目を閉じ座る猫ねーちゃん。右手を持ち上げ、肉球にかみつきながら手入れする。ぺろりぺろりと舐めあげるたびに飛ぶ、唾液のつぶ。右手が終わると左手。左手が終わると胸、背中、おしりのあたり。丁寧にルーティンを終えたねーちゃんは、のの字の形に寝ころび目を閉じる。
あたしはねーちゃんから80センチほど離れた場所にいて本を読んでいる。事故で記憶を失った青年が綴る数年分の記録。静かとても静か。近所のおばあさんたちが井戸端会議している声を遙かに聞きながら、あぁそうだ、と気がついた。
なにもなければこうだったのか、って。
ねーちゃんが寝そべったまま「にゃー」と話しかけてきた。”考えても今は無駄だにゃ” と告げるその目はやっぱり愛に煙っていた。猫は気まぐれだというけれど、あたしの愛のほうがずっと気まぐれ。あの目で見つめられるといつも恥ずかしくなる。そしてあたたかくなる。
あたしはねーちゃんから80センチほど離れた場所にいて本を読んでいる。事故で記憶を失った青年が綴る数年分の記録。静かとても静か。近所のおばあさんたちが井戸端会議している声を遙かに聞きながら、あぁそうだ、と気がついた。
なにもなければこうだったのか、って。
ねーちゃんが寝そべったまま「にゃー」と話しかけてきた。”考えても今は無駄だにゃ” と告げるその目はやっぱり愛に煙っていた。猫は気まぐれだというけれど、あたしの愛のほうがずっと気まぐれ。あの目で見つめられるといつも恥ずかしくなる。そしてあたたかくなる。
普通の生活=リハビリ
2007年1月14日肩胛骨、腰、右腕に低周波の電気を流し、それが終わったら右腕のみマッサージ。ギブスがはずれてから始まったリハビリのコース。あたしはもとから肩こりがひどいので、首が痛いのは事故のせいなのかどうか実のところわからない。腰はちっとも痛くない。でもこれも体験だと思い「してあげる」ということは、素直にしてもらっておくことにする。
低周波電流を流す器械にはタイマーがついていて、セットされた時間になると音楽が鳴る。カーテンで仕切られた8つほどのスペースのあちらこちらからどこかで聞いてことのある曲が流れてくる。背後から杏里の「オリビアを聴きながら」。少し離れた場所からオフコースの「秋の気配」。失恋ソングばっかり。あたしのところからも曲が流れ始めた「守ってあげたい」。悲しくない曲でよかった。
しかし「はーい失礼しま〜す」と言って整体師が入っていったのは隣のスペース。結局、爆風スランプ「走る走る〜おれた〜ち〜」があたしの持ち時間終了合図だった。こんな混み混みの病院で、いろんな人に取り巻かれて、せめて好みの曲が流れてくれたら気も晴れるってもんなのにと思い、わけもなく軽くがっかりする。
右手マッサージのとき、担当の人に質問する。「回復を早めるために自分自身でできることはなんですか」。いろいろレクチャーしてくれる。なぜ痛いのか、どこがどういう原理で痛いのか、どこまでやっていいのか、逆にやってはいけない動きはなにか。マッサージを受けながら話し合ううちに相手が首を傾げながら「サポーターはどこですか?」まだサポーターはもらっていません。「では…添え木がわりのギブスを縦割りにしたものをもらったはずじゃ…」面倒だからはずしちゃった。「…だめです。勝手なことしちゃ」。目でたしなめられた。でも日常生活こそが一番有効なリハビリだと確信しているですよ、あたしは、と胸の中で思いながら黙って笑いかけた。
帰宅して三女のバースデーケーキを焼き、ふんだんにイチゴを使ったデコレーションをする。あたしから三女へのプレゼントは「キラキラしたもの」をいくつかと、ケーキ、完璧なるシャンプー&トリートメント&ブローを心を込め施術、あと添い寝。いつもあたしの隣は末っ子なので、二人はものすごくもめていたがこれもプレゼントのうち。あとこの間みんなには内緒で食べ放題のビュッフェへ二人で行った。「みんなには内緒」がなによりのプレゼントだとのこと。
低周波電流を流す器械にはタイマーがついていて、セットされた時間になると音楽が鳴る。カーテンで仕切られた8つほどのスペースのあちらこちらからどこかで聞いてことのある曲が流れてくる。背後から杏里の「オリビアを聴きながら」。少し離れた場所からオフコースの「秋の気配」。失恋ソングばっかり。あたしのところからも曲が流れ始めた「守ってあげたい」。悲しくない曲でよかった。
しかし「はーい失礼しま〜す」と言って整体師が入っていったのは隣のスペース。結局、爆風スランプ「走る走る〜おれた〜ち〜」があたしの持ち時間終了合図だった。こんな混み混みの病院で、いろんな人に取り巻かれて、せめて好みの曲が流れてくれたら気も晴れるってもんなのにと思い、わけもなく軽くがっかりする。
右手マッサージのとき、担当の人に質問する。「回復を早めるために自分自身でできることはなんですか」。いろいろレクチャーしてくれる。なぜ痛いのか、どこがどういう原理で痛いのか、どこまでやっていいのか、逆にやってはいけない動きはなにか。マッサージを受けながら話し合ううちに相手が首を傾げながら「サポーターはどこですか?」まだサポーターはもらっていません。「では…添え木がわりのギブスを縦割りにしたものをもらったはずじゃ…」面倒だからはずしちゃった。「…だめです。勝手なことしちゃ」。目でたしなめられた。でも日常生活こそが一番有効なリハビリだと確信しているですよ、あたしは、と胸の中で思いながら黙って笑いかけた。
帰宅して三女のバースデーケーキを焼き、ふんだんにイチゴを使ったデコレーションをする。あたしから三女へのプレゼントは「キラキラしたもの」をいくつかと、ケーキ、完璧なるシャンプー&トリートメント&ブローを心を込め施術、あと添い寝。いつもあたしの隣は末っ子なので、二人はものすごくもめていたがこれもプレゼントのうち。あとこの間みんなには内緒で食べ放題のビュッフェへ二人で行った。「みんなには内緒」がなによりのプレゼントだとのこと。
これが日の出かい?
2007年1月13日オイルパステルセットを買って、見えるところに置いておく。学校を休んだ三女が早速見つけて暇つぶし。しばらく経って見せにきた画用紙最初のページは、日の出の絵。それを見て「あ」と思う。「ねえ。あたしって日の出を見せてあげたことあったっけ?」と聞くと「ない」と言う。そんなのいけないことだ。日の出とか日の入りは、海でババーン!と見ておかねばならぬ。あんなマンガみたいな日の出の絵を描くようではいかん。今年のミッション2は、子どもたちと海で日の出日の入りを「必ず」見ること。できたら日の入りのほうは満月の夜に設定して月が昇るのも見よう。
手のひらを見たい
2007年1月12日おととい、ギブスがとれた。ギブスがとれれば手はすっかり治っていて、なんでもできると思いこんでいたんだけど、大間違い。痛いのなんのって。ひねりに弱い右手は自分の手のひらが見えないし、まっすぐに腕を下に伸ばすこともできない。やれやれ。
駅前を歩いていたら、ばったり同僚たちに会ってしまう。事故以来会っていなかったので、互いに駆け寄り合う。すっぴんなのを(しまった!)と思うが、すぐに思い直して負傷具合を見てもらう。こちらの状況を話し、職場の状況を聞き、別れる。別れ際「元気に右腕を振り回して遊んでいたってみんなには言っておくよ!」と叫ばれる。エレベーターを下りながら「そんなこと言わないでよ!」と本当に右手を振り回した姿を見られてしまった。
三女(10才)はギブスの中がかゆいと言って大粒の涙を流す。まだ仮ギブスなのではずして軟膏をすり込んでやる。巻き直ししながら「お医者さんには内緒よ」と念を押す。本当にギブスの中はかゆい。腕の中を小さな虫が這い回っているみたい。ほんの少し幻覚症状に苦しむ人を理解できるような気がする。ギブスに関してはまさにわたしは「先に立って見る」つまり「親」という字そのもの。こんなこと以外で先に立って見るほうがかっこいいんだけど。
駅前を歩いていたら、ばったり同僚たちに会ってしまう。事故以来会っていなかったので、互いに駆け寄り合う。すっぴんなのを(しまった!)と思うが、すぐに思い直して負傷具合を見てもらう。こちらの状況を話し、職場の状況を聞き、別れる。別れ際「元気に右腕を振り回して遊んでいたってみんなには言っておくよ!」と叫ばれる。エレベーターを下りながら「そんなこと言わないでよ!」と本当に右手を振り回した姿を見られてしまった。
三女(10才)はギブスの中がかゆいと言って大粒の涙を流す。まだ仮ギブスなのではずして軟膏をすり込んでやる。巻き直ししながら「お医者さんには内緒よ」と念を押す。本当にギブスの中はかゆい。腕の中を小さな虫が這い回っているみたい。ほんの少し幻覚症状に苦しむ人を理解できるような気がする。ギブスに関してはまさにわたしは「先に立って見る」つまり「親」という字そのもの。こんなこと以外で先に立って見るほうがかっこいいんだけど。
イーオン・フラックス/カリン・クサマ
2007年1月11日 映画PROMISE/チェン・カイコー
2007年1月11日 映画
薄暗くなった夕暮れ時、部屋の電気をつけずにひとりで鑑賞。母(60才)が入ってきて2分ほど黙ってみたあと「なんだ、プロミスみてんのか」という。レンタルリリースされてすぐに観たとのこと。30分後今度は夫が入ってきて2分ほどみたあと「あんたよくこの映画みて起きていられるね」という。あんたもみたのか。あたしは読書においても映画鑑賞においてもみんなより遅れているようだ。
昨日パウロ・コエーリョの「11分間」を読んでしらけた。愛。セックス。男。女。ふん!ふん!
昨日パウロ・コエーリョの「11分間」を読んでしらけた。愛。セックス。男。女。ふん!ふん!
ポセイドン/ウォルフガング・ペーターゼン
2007年1月11日 映画
新学期初日の朝、長いこと次女(11才)はトイレから出てこない。ギリギリの時間になって、よろめきながら現れ、ヒーターの前でへたる。この子はわりとよくこの状態になる。演技ではない。本当に痛いし、実際におなかも下しているのだ。学校を休む。
きっと体質改善が必要なのだろうと思う。信念を持った改革をしないことには、またちょくちょく繰り返してしまうだろう。ただ大事なのは、信念を持つのがあたしではなく、本人じゃなくっちゃいけないということ。
昼が近づくにつれ元気になり出すハライタ・プリンセス。
ポセイドンをふたりでみる。観賞後お姫様にひとこと「きみも一大事のときには限界までがんばるようにな」。
きっと体質改善が必要なのだろうと思う。信念を持った改革をしないことには、またちょくちょく繰り返してしまうだろう。ただ大事なのは、信念を持つのがあたしではなく、本人じゃなくっちゃいけないということ。
昼が近づくにつれ元気になり出すハライタ・プリンセス。
ポセイドンをふたりでみる。観賞後お姫様にひとこと「きみも一大事のときには限界までがんばるようにな」。
ギフト(?)
2007年1月10日秘密日記にて
「もっともっとぶらぶらしてたーい!(すっごく本音!)」
とシャウトしたところ、直ちに神様からの贈り物。むすめが骨折して帰って参りました。冬休みもう少し延長。
…神様? 痛くないバージョンってないんでしょうか。
「もっともっとぶらぶらしてたーい!(すっごく本音!)」
とシャウトしたところ、直ちに神様からの贈り物。むすめが骨折して帰って参りました。冬休みもう少し延長。
…神様? 痛くないバージョンってないんでしょうか。
チルチルミチルの世界では
2007年1月8日45リットルのゴミ袋で念入りに右腕を覆って入浴するわたしが、困っていることのひとつは洗顔料を上手に泡立てられないこと。「あ!屁が出る!」と言い屁をつかみ、それを人の顔の前で開いてにやける”秘技握りっぺ散らしっぺ”の手つきでは泡は立たないのだ。片手じゃ無理。
数日前に思いついてうまくいっているやり方は、椅子に座り平らになった左ももと左手で泡立てるという方法。今夜も「よっぽど手と手で作るよりもいい泡具合だよ」と悦に入っていると、不意にある記憶が射し込んできた。それは前夫がももに置いたタオルに石けんをこすりつけて泡立てている光景。この技はあたしオリジナルではなかったんだ。
メーテルリンクの青い鳥。この世にいるチルチルミチルが亡くなったおじいさんとおばあさんを思い出したときだけ、あの世のおじいさんとおばあさんは目覚めることができるって確か書いてあった。その仕組みが本当なら、さっき彼はむくっと起きあがったことだろう。
数日前に思いついてうまくいっているやり方は、椅子に座り平らになった左ももと左手で泡立てるという方法。今夜も「よっぽど手と手で作るよりもいい泡具合だよ」と悦に入っていると、不意にある記憶が射し込んできた。それは前夫がももに置いたタオルに石けんをこすりつけて泡立てている光景。この技はあたしオリジナルではなかったんだ。
メーテルリンクの青い鳥。この世にいるチルチルミチルが亡くなったおじいさんとおばあさんを思い出したときだけ、あの世のおじいさんとおばあさんは目覚めることができるって確か書いてあった。その仕組みが本当なら、さっき彼はむくっと起きあがったことだろう。
ユナイテッド93/ポール・グリーングラス
2007年1月7日 映画
最近、精神的に強くなったと自分では思う。耳が痛くなるようなことを聞かされても、様々な角度から(一応)考えてみるようにはなったし、嚥下するかしないか別にしても、咀嚼はしてみるようにはなったのだ。手に入れたい、あれがほしいという対象の人や物に対しても強く執着しなくなった。身もだえすることもない。
近頃あたしが手に入れたのは「諦めみたいなもの」なのかもしれない。
焼きそば食べながらこの作品を観られるのはその印。
フセイン処刑の映像を正視するのもその印。
さみしいときも、寄る辺ない夜も、胸中に鳩が飛び回るような気持ちのときもある。感情を失ったわけじゃ決してないんだけど、こうして生き易いように角がとれていくのかなぁ、鈍していくのかなぁと思う。
いいですか?このまま歩いていても。
この道、また間違い道ですか?
わたしは間違いのような気がします。
近頃あたしが手に入れたのは「諦めみたいなもの」なのかもしれない。
焼きそば食べながらこの作品を観られるのはその印。
フセイン処刑の映像を正視するのもその印。
さみしいときも、寄る辺ない夜も、胸中に鳩が飛び回るような気持ちのときもある。感情を失ったわけじゃ決してないんだけど、こうして生き易いように角がとれていくのかなぁ、鈍していくのかなぁと思う。
いいですか?このまま歩いていても。
この道、また間違い道ですか?
わたしは間違いのような気がします。
いつから降り始めたものだろう。覚めたばかりの目で、ベランダの手すりにぶら下がった雨の滴をしばらく眺める。あれは「今日はどこにも行かなくていいよ」というメッセージ。
冷蔵庫の野菜室は、親戚から送られてきた広島菜の漬け物でいっぱい。昼ごはんは広島菜炒飯。利き手の右手は、指の根本からひじ上15センチまでギブスに拘束されているので、フードカッターに助けてもらいながら調理。
ネギ・ニンジン・広島菜をみじん切りにする。残りものの十六穀米に生卵を割り入れ、卵かけごはんの状態にしておく。フライパンを熱し、ごま油で卵かけごはんをパラパラになるよう炒める。コツはあまりいらいらとかき混ぜすぎぬこと。ゆったりと切るように大まかに炒めつけていく。パラパラになったら取り出し、そのフライパンを使い今度は、豚の挽肉やみじん切りの野菜を炒める。火が通ったらごはんと合わせる。味付けは、塩分を漬け物で全てまかない、鶏ガラスープの素少々振り入れるだけ。火を止めてから仕上げにごま油を回し掛け、風味をよくする。
食後しばらく経って風呂に入る。昨日言うことを聞かない右手がクリックし間違って開いたサイトは、地元温泉のもの。おぉ久しぶりにお湯にでも…と思ったところで気がついた「入れないんだ」。それがくやしかったので、今日は自宅で突拍子もない時間に長風呂をすると心に決めていた。「ぶつかり体験記」という本を連れて入る。多分あたしもこの中のぶつかりをいくつか経験するだろうなぁと思いながら読了。雨の音がする。葉にあたって落ちる音も好きだし、屋根を叩く音も好きだけれど、何にあたっているのかわからない金属音が、一番好きな雨の刻む音だ。
夜になると、大雨降らせたことが嘘のような空。まんまるには足りない美しい月。ひとり買い物に出る。明日はもつ鍋。下ごしらえ中の今、家中がモツくさい。
冷蔵庫の野菜室は、親戚から送られてきた広島菜の漬け物でいっぱい。昼ごはんは広島菜炒飯。利き手の右手は、指の根本からひじ上15センチまでギブスに拘束されているので、フードカッターに助けてもらいながら調理。
ネギ・ニンジン・広島菜をみじん切りにする。残りものの十六穀米に生卵を割り入れ、卵かけごはんの状態にしておく。フライパンを熱し、ごま油で卵かけごはんをパラパラになるよう炒める。コツはあまりいらいらとかき混ぜすぎぬこと。ゆったりと切るように大まかに炒めつけていく。パラパラになったら取り出し、そのフライパンを使い今度は、豚の挽肉やみじん切りの野菜を炒める。火が通ったらごはんと合わせる。味付けは、塩分を漬け物で全てまかない、鶏ガラスープの素少々振り入れるだけ。火を止めてから仕上げにごま油を回し掛け、風味をよくする。
食後しばらく経って風呂に入る。昨日言うことを聞かない右手がクリックし間違って開いたサイトは、地元温泉のもの。おぉ久しぶりにお湯にでも…と思ったところで気がついた「入れないんだ」。それがくやしかったので、今日は自宅で突拍子もない時間に長風呂をすると心に決めていた。「ぶつかり体験記」という本を連れて入る。多分あたしもこの中のぶつかりをいくつか経験するだろうなぁと思いながら読了。雨の音がする。葉にあたって落ちる音も好きだし、屋根を叩く音も好きだけれど、何にあたっているのかわからない金属音が、一番好きな雨の刻む音だ。
夜になると、大雨降らせたことが嘘のような空。まんまるには足りない美しい月。ひとり買い物に出る。明日はもつ鍋。下ごしらえ中の今、家中がモツくさい。
最初で最後かもしれない
2007年1月4日いやはや。このあたしがスポーツ観戦で涙を流すとは。こぶしを固めて、知人の引退試合を応援する。清々しい気持ちになった。感動した。
帰り道、憎たらしい友と夕食を摂る。
こいつのしゃらくささがあたしをしゃっきりさせる。甘い涙を引っ込めてがんばります「後片付け」。
…ともあれ、ケガが治ってから。
帰り道、憎たらしい友と夕食を摂る。
こいつのしゃらくささがあたしをしゃっきりさせる。甘い涙を引っ込めてがんばります「後片付け」。
…ともあれ、ケガが治ってから。
涙ダム決壊
2007年1月3日昨夜のこと。
テレビをつけるとある作家が映っていた。夫婦について語っていた。数年前に亡くなったご主人との別れについてだ。
ある夕暮れ、徐々に弱りゆくご主人のベッドに脇に座り、自分ではどうにもならない力に押し流されて、子どものように泣いていると目覚めたご主人が
「…かわいそうやなぁ…おれはおまえの味方やで」
そう言ったんだって。それが最期の言葉だったんだって。
あたしはその作家があまり好きじゃなかった。なんか明るくてちゃっかりしててかっこよくないおばちゃんだなぁって昔から思ってた。「みたくないなぁ、特に」って思ったし「夫婦?…けっ!」って少し思ったんだけど。
でもね。
ご主人の言葉、その声の調子を再現したのを聞いたら涙が止まらなかった。いいなぁ、うらやましいなぁって心から思う。
ずっと守られてたんだね、心を。
あたしは昨日泣いてしまってから、ずっと揺れてしょうがない。まだそういう月の周期でもないのになぜ。
テレビをつけるとある作家が映っていた。夫婦について語っていた。数年前に亡くなったご主人との別れについてだ。
ある夕暮れ、徐々に弱りゆくご主人のベッドに脇に座り、自分ではどうにもならない力に押し流されて、子どものように泣いていると目覚めたご主人が
「…かわいそうやなぁ…おれはおまえの味方やで」
そう言ったんだって。それが最期の言葉だったんだって。
あたしはその作家があまり好きじゃなかった。なんか明るくてちゃっかりしててかっこよくないおばちゃんだなぁって昔から思ってた。「みたくないなぁ、特に」って思ったし「夫婦?…けっ!」って少し思ったんだけど。
でもね。
ご主人の言葉、その声の調子を再現したのを聞いたら涙が止まらなかった。いいなぁ、うらやましいなぁって心から思う。
ずっと守られてたんだね、心を。
あたしは昨日泣いてしまってから、ずっと揺れてしょうがない。まだそういう月の周期でもないのになぜ。
あけましておめでとうございます
2007年1月1日コメント (3)おせちを作らなかったゆえ、新しい年を迎えたという気がしません。2006年はいろいろありましたし、だから今年はもう大丈夫という保証もないんですが、まぁ懸命に生きるしかないな。どうにかなる、どうにかします。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
愛と歯ぎしり
2006年12月31日おまえはかわいいねぇ…いいこいいこ…
抱きしめて耳を澄ますと末娘は、必ずと言っていいほど歯をぎしぎしいわせていた。赤ん坊の頃の話だ。今はもうしない。おまえはかわいいねぇ、いいこいいこ、と抱きしめられれば、あなたならどうなるだろうか。とある探偵は、愛の気持ちがこみ上げると「みぞおちのあたりでなにかが騒ぎ出す」と言うし、小学生のむすめたちは、何がどうなると言い表すことなく「キュ〜ン!」と子犬のような声を発し部屋を駆け回る。猫は愛に煙った目であたしを黙って見つめ返すだけ。
わたしと3人の娘たちは、ダブルの布団2枚を床に敷き、眠る。昨夜、一番大きなうなぎとして布団にもぐり込み末娘を抱きしめると、寝ぼけた娘はまた歯を鳴らしていた。体を横たえ目を閉じ、愛情と歯ぎしりについて考えたけど、やっぱりわからなかった。
抱きしめて耳を澄ますと末娘は、必ずと言っていいほど歯をぎしぎしいわせていた。赤ん坊の頃の話だ。今はもうしない。おまえはかわいいねぇ、いいこいいこ、と抱きしめられれば、あなたならどうなるだろうか。とある探偵は、愛の気持ちがこみ上げると「みぞおちのあたりでなにかが騒ぎ出す」と言うし、小学生のむすめたちは、何がどうなると言い表すことなく「キュ〜ン!」と子犬のような声を発し部屋を駆け回る。猫は愛に煙った目であたしを黙って見つめ返すだけ。
わたしと3人の娘たちは、ダブルの布団2枚を床に敷き、眠る。昨夜、一番大きなうなぎとして布団にもぐり込み末娘を抱きしめると、寝ぼけた娘はまた歯を鳴らしていた。体を横たえ目を閉じ、愛情と歯ぎしりについて考えたけど、やっぱりわからなかった。
エラゴン 遺志を継ぐ者/シュテフェン・ファンマイアー
2006年12月27日 読書 コメント (2)19日の夜にひとりさみしくクラッシュしてから何日かが過ぎ、ようやく体が元に戻ってきました。顔の傷は出血の割には大したことなかったようです。すぐによくなりそう。腫れ上がったくちびるはもう元通り、かさぶたも取れました。歯も折れてはいますが、神経が死んだかどうかまだわからず判定待ち。右手首の骨折だけは、楽器を元通りに弾くために念入りに治すことにしました。昨日まではとろとろとろとろ眠り続けていた。疲れのせいだったか、全身を打ったことのショックだったのかわからないけど、とにかく目が開けられなかった。おとといは脳外科受診を勧められたけれど、しびれも頭痛もなくなったので行かずに済みそうだ。
わたしを転ばせた神様(歩道にいた猫)、これからしばらくあたしはどうしましょう?
わたしを転ばせた神様(歩道にいた猫)、これからしばらくあたしはどうしましょう?