Laundry

2004年10月28日 母さんは…
ポケットの中身を確認しないで服を洗う。細かくなって洗濯物全体にまんべんなくまぶされた紙の残骸に泣きたくなる。今となってはほとんどこのようなミスをすることはなくなったが、それでも年に1〜2度は衣類以外のものをうっかり洗って痛い目に遭う。これまでの母さん人生の中でいろんなものを洗った。

ティッシュ。
お札(とっても丈夫!感心した)。
紙おむつ(すごい吸水率を実感した)。
メモ類。
名札。

中でも文庫本を一冊洗ったときのことは忘れられない。小さな文字がびっしりと書かれた微細な紙が大量に、そう、鮭フレークがごはんにからまったような状態で洗濯機に入っているのを発見したときには、愛鷹山へ修行に行って当分帰るまいと思ったくらいだ。

洗濯機の中で変わり果てた姿になっていた文庫本は、当時のわたしの長風呂の友だった。日常生活の中で読むとちょっとじれったくなるような本、何度も繰り返して読みたい本を選んで、子どもの寝静まった深夜、浴槽で読むのが好きだった。確かあの頃は100円で買った丸山健二さんと何度も入浴していた。うっかり眠り込んで、自分も本も湯に沈んでしまったので、洗濯機の上にある突っ張り棚に濡れた本を干しておいた。はずだったのだが、なにかの拍子に洗濯機の中に落ちたのだろう。洗ってしまった。

ひとたびそういう事態になってしまったら、できるだけ紙くずを払い、あとは外に干して乾かすしかない。そして乾いたらコロコロクリーナーを駆使して……

新潟で、イラクで、いろんなところで心が痛くなる事件が多すぎて。
気を紛らわせるために関係のない文章を書いたのだけど、やっぱり集中して書くことも、おもしろおかしく書くことも難しい。事件の、災害の、事故のニュースを見ながらごはんをパクつくことに似ている。

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