暗い内に起きる。今日は何ヶ月も前から楽しみにしていたイベントのある日。家族に迷惑を掛けてまで、自分ひとりの楽しみを追い求めてはいけない。きちんとやるべきことをやり、食べるものに困らないように支度をし、快く送り出してもらわなければ…そう思って張り切って起きたんだけれども。

しばらくして長女が起き出してくる。いやなオーラが漂っている。何を言うかと思えば「イケてる友だちと遊びに行くのに、自分の持っている服はダサくてどうしようどうしよう」。

昨日はわたしが夕方から出かけて帰りが深夜だったので、相談する(おねだりする)チャンスがなかったらしい。しばらくぼやきを聞いているうちに、自分が高校生のときのことをとてもリアルに思い出してしまった。わたしも「これぞ!」と思える服を着て出かけたかったんだったよなぁ。母親のコーディネイトなんてくそくらえ、って思ってた。服や身につける小物、髪形、化粧、それらを媒体にして自分を表現する。そんなことが人生の一大事かと思ってたな。

クラスのコとあまりうまくいってない様子の長女。それがクラスの人気者たちに誘われてお出かけするという。今日がわたしのお楽しみデーだなんて、すっかり忘れている。お金をあげるから好きなものを買っていいよと言ってもいい顔をしない。……ものすごく迷ったけど、少し遅れて出てもいいか、と予定を変更した。

新しいロングブーツとコートとスカートに身を包んだ彼女を見送って自宅に戻ると、夫が「今日は行くのやめにしたんだ!」と心底うれしそうな顔をしてわたしを出迎えた。疲れていたんだろか、夫は見ていてちょっと痛々しいほどはしゃいでいて。今から行くの、と言えなかった。今日は羽を伸ばし損ねた。

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