たまにいくレンタルビデオ店は、漫画の貸し出しもしている。子どもたちから「マサルさん借りてきて」「アサリちゃん借りてきて」と頼まれた。漫画のコーナーをあまり知らない。どこになにがあるのかわからないため、結局全部の棚を見て回ることになった。

子どもの頃、歯医者で、友達の家で、読んだ漫画。思春期の頃、自分で買って読んだ漫画。仲間内で回し読みした漫画。3才年下の弟の好んでいた漫画。5才下の妹の集めた漫画の膨大なコレクション。美容室でロットを巻かれながら読んだ漫画。読んだことのある漫画漫画漫画だらけ。なつかしい!

今でこそ「こらこらそんなに漫画ばかり読んでいないで…」なんて娘たちに言ってみたりするお母さんなんだけれど、その昔はもうホントに漫画が大好きだったのだ。小学生の頃から、親に隠れて布団の中に電気スタンドを持ち込んで読んでみたり、部屋からあふれた漫画が上から下までの階段の幅半分にまで置かれ、それでも収まりきらずに玄関にも廊下にも積み上げられているような親友の家に入り浸り(今でいう漫喫みたいな家だった)、いろんな友達の家に進軍し、隠されていたエロ漫画を見せてもらい、もうそれはそれはあっという間に性知識を蓄えていったものだった。

ワルをやったことがある人ほど、心配性であるという。

漫画を読んで漢字の読み方をいっぱい覚えた。ダイレクトに頭の中に流れ込んでくる絵は、自分の持っている映写機を使わずとも活き活きと心の中を走り回り、容易にわたしを喜怒哀楽の世界へ連れ去ってくれた。しかし。やはりよいことばかりではなかったなぁ、というのが実感である。劣情をあおり立ててくるものもあるし、自慰をそそのかすものもある。未体験のカラダに変な性癖の焼け火箸をあててくるものもあった。いかんいかん。自分はよくても自分の子どもにはこんなこといかん!

わたしは大好きだったジャングルの王者ターちゃんに手を伸ばし、パラパラとページを繰り「これは不合格」と胸の中で呟き、棚に戻した。キ○タマをびょ〜んとひっぱりながらサルと人が話しているし、影絵みたいな男性性器図に「人には言えない恥ずかしい液体がにじんでいる」などという説明書きが。この漫画から生ずる質問にいちいち答えていたらきっと精神的に疲れる。お!寄生獣!この漫画、最後まで読んでなかったなぁ。借りようかなぁ。…待てよ、こんな漫画読んだら、ますます子どもたちがひとりでトイレに行けなくなるぞ。

背表紙のタイトルを確認しながら、思いは過去に現在に、自分に子どもに行ったり来たり。長女は17才なので読むものはもうなんでも共有できるが、小学生と共通で楽しめるものというのは…結構難しい。

漢字読めないかな…と思いながらこの「銀牙伝説ウィード」を試しに5巻まで借りてみる。「ママどうして犬が広島弁で話してるの?」などという野暮な質問無しに熱中しているようだ。前シリーズ「銀牙−流れ星銀」を自分も子どもの頃に読んでいた。昔も今もわたしは犬ものに弱い。「ママ!?泣いてんの!?」        

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