★ハリセンボンの逆襲
2005年3月9日 読書
〜つづき〜
それは「3分間だけのために作られた食器で食事をすることの貧しさ」という言葉。その言葉を聞いたときものすごく鮮明に幼い頃のわたしたちを思い出した。小学校から家まで約4キロの道のりが川伝いだったし、家の三方を囲む長い土手の向こうが大きな川だったので、わたしやその兄弟、友達はヒマさえあれば川で遊んでいた。メダカやハヤやオイカワ、イモリ、オタマジャクシ、ヒル、ヘビ、カエル、昆虫、生きたまま捨てられた子猫、エロ本、タバコ、痴漢、釣り人、河原にはいろんなものがあって飽きることがなかった。
川でわたしたちは、多少危険な目に遭ったり、生死に触れたり、困ったり笑ったりして毎日を過ごしていたんだけれど、大体川に遊びに行こう!と言って示し合わせて出かけたことはほとんどなく、いつもなんのきなくちょっと寄ってみるという感覚だった。なので慢性的に生け捕りにした生き物の容れ物に困っていて、プラスティックの使い捨てのコップや穴の空いていないビニール袋を見つけると、それはそれはうれしくて。どんなふうに表現したらいいのか、もうとにかくゴミがいとしかったのだ。その容器に、水がないと死んでしまう生き物を入れて、意気揚々と家に帰るわたしたち。そのときの情景、気持ち、そういった忘れかけていたものがぱーっと一瞬のうちに蘇ってきて、今の自分が恥ずかしくなった。悲しい気持ちになってしまった。
講演会を聴き、椎名誠・渡辺一枝夫婦の書いた本を読んだあと、100均の品物を見てすら悲しくなってしまった。もしかしたらチベットやどこかの大木から作られているんじゃないのか、などと思えてきて。
でもくよくよとひとりで思い悩んでも仕方のないこと。自分は自分なりにいろんなものと折り合って暮らしていく。忙しくて気が狂いそうなときには時間を買うのだろうし、貧しくて余裕のないときには安くて冷たい品物を買うだろう。けれどそうでないときには、あの頃のようにいろんなものに長い命を吹き込みたい。丁寧に、うそのない暮らしをしていけたらなぁ、胸の中でひっそり固くそう思った。
それは「3分間だけのために作られた食器で食事をすることの貧しさ」という言葉。その言葉を聞いたときものすごく鮮明に幼い頃のわたしたちを思い出した。小学校から家まで約4キロの道のりが川伝いだったし、家の三方を囲む長い土手の向こうが大きな川だったので、わたしやその兄弟、友達はヒマさえあれば川で遊んでいた。メダカやハヤやオイカワ、イモリ、オタマジャクシ、ヒル、ヘビ、カエル、昆虫、生きたまま捨てられた子猫、エロ本、タバコ、痴漢、釣り人、河原にはいろんなものがあって飽きることがなかった。
川でわたしたちは、多少危険な目に遭ったり、生死に触れたり、困ったり笑ったりして毎日を過ごしていたんだけれど、大体川に遊びに行こう!と言って示し合わせて出かけたことはほとんどなく、いつもなんのきなくちょっと寄ってみるという感覚だった。なので慢性的に生け捕りにした生き物の容れ物に困っていて、プラスティックの使い捨てのコップや穴の空いていないビニール袋を見つけると、それはそれはうれしくて。どんなふうに表現したらいいのか、もうとにかくゴミがいとしかったのだ。その容器に、水がないと死んでしまう生き物を入れて、意気揚々と家に帰るわたしたち。そのときの情景、気持ち、そういった忘れかけていたものがぱーっと一瞬のうちに蘇ってきて、今の自分が恥ずかしくなった。悲しい気持ちになってしまった。
講演会を聴き、椎名誠・渡辺一枝夫婦の書いた本を読んだあと、100均の品物を見てすら悲しくなってしまった。もしかしたらチベットやどこかの大木から作られているんじゃないのか、などと思えてきて。
でもくよくよとひとりで思い悩んでも仕方のないこと。自分は自分なりにいろんなものと折り合って暮らしていく。忙しくて気が狂いそうなときには時間を買うのだろうし、貧しくて余裕のないときには安くて冷たい品物を買うだろう。けれどそうでないときには、あの頃のようにいろんなものに長い命を吹き込みたい。丁寧に、うそのない暮らしをしていけたらなぁ、胸の中でひっそり固くそう思った。
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