田園春色
2006年3月28日
川原に降りて昼食を摂る。薄曇りの空の下、川面を渡ってくる風はとても冷たい。子どもたちは、甲高い声でさむいさむいと連発しながら車に逃げ込んでしまった。わたしはブランケットを巻きつけ、椅子に座って楽器を弾く。風にあおられた楽譜がバタバタと、まるでシルクハットから飛び出してきた白鳩のよう。小石を乗せてじっとさせる。小石では役に立たないので、中くらいの石に替える。やっとおとなしくなる。目を閉じて、呼吸を整え、音に心を澄ませる。なにもかもどうでもよくなる。わたしは逃げに来たんでしょうか。
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