曲げない

2006年6月4日
馬のいななき、めんどりのコココというつぶやき、おんどりの雄叫び。わたしの習っている楽器は多様な音を出す(こともできる)。その奏者、飄々とした話し方でおもしろおかしい話を曲の間に挟み、聴衆を笑わせる、沸かせる。とびきり楽しい演奏のあとで唐突に「わたしの奥さん、結婚して3年目に病気をして、それからもう15年間ずっと身体と脳に障害が残ったまんま。でもこの曲を聴くとにっこりしてくれるよ」。これを聞いて涙が止まらなくなった。どのような苦しみ、悲しみ、温もり、歓喜、激情、劣情、焦燥、喪失の中にあっても音楽をやめなかった彼/彼女の人生を思ったら、きつく歯を噛みしめても涙がこぼれてこぼれて止まらなかった。なにがあってもひとつのことを貫き続ける姿は、時に愚直ですらある。でもまわりを見回すとそんな人たちがたくさんいることに気がつく。厳しくて優しくて、毎年生える草のように不動の木のようになにも言わずにそこにいる。居続けてくれる。だから不様でも不器用でもいい、わたしもがんばろうと思った。なにかを曲げないで貫こう。そうしたらいつかあんな風に笑える。

*******くーさん*******

とても似たことを、違うとき、違う場所でわたしも感じていたのです…。

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