温かいコーヒー

2006年8月25日
最後のハムスター、スノウが死んで15日が経った。スノウもトッポもジャンガリアンハムスターという種類で、寿命は大体2〜3年。友人宅でも多くこの種類のハムスターは飼われているが、2年を越えて生きる個体は少ないようだ。我が家の2匹は寿命を全うした。2年6ヶ月、2年8ヶ月生きてくれた。いずれも亡くなる前日まで元気にはね回っており、長患いとは無縁で突然逝った。

たかがねずみ、されどねずみ。

ハムスターは愛しい生き物だ。眠る姿も食べる姿も走る姿もかわいらしい。立ち止まって手をすり合わせたり、コケるところなど、もう悩殺的。そして回し車を果てなく回す姿はいじらしい。時に自分を投影して切なくなる。

かわいかった。癒してくれた、いつも。

モナカやトッポが死んだときわたしは、すぐにはむすめたちに死を伝えられず、墓を作ってから死を告げ花を供えさせた。むすめたちは泣かなかった。娘たちが学校に行く前であったり、自分が出勤せねばならぬ時間の直前に死を告げたりできなかった。学校で涙が止まらなかったり、自分の留守に身をよじって泣くだろうむすめたちを思うと、黙っているしかなかった。しかし10日に亡くなったスノウの異変に気づいたのは次女で、今は夏休み中だ。

うっすら目を開けて横たわったスノウは息をしていなかったが、体はまだ柔らかく温かかった。声を上げて泣きながらかわるがわるみんなで抱いた。わたしたちは小さな白いかたまりが大好きだった。終わりがくることを知りながら愛した。

あまりに温かかった体が冷えて固くなるまで墓を作ることはできなかった。死を本当に確かめるために。土の中に敷きワラを敷き、天国で困ることがないようにエサをたくさん入れて、また敷きワラを上にかけ、土をかぶせていく。ブルーベリーの実とチェリーセージの赤い花を供える。

前の二匹のときには、泣かなかった代わりに長く悲しみをひきずっていたむすめたちだった。今回は強い悲しみを味わったが、痛みの期間は短かったようだ。セレモニーはこういうことのために必要なんだと知る。

夏のリビング、いつも我が家はエアコンをかけっぱなしでとても涼しかった。暑さに弱いハムスターのためだった。涼しい部屋で飲む温かいコーヒーがおいしかった。今朝は冷たいコーヒーを飲んでこれから出勤する。

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