黒い回転椅子
2007年3月16日二番目の娘が丸くて黒い回転椅子に座ったのは月曜日。胃腸が弱い体質なのか、これまでもしばしば登校前におなかを痛がっていた。もうじき生理が始まるだろうという前兆が体に現れているので、ホルモンのバランスが崩れているのかなと様子をみていたが、先月から不調を訴える回数が増えていた。ここ1〜2週間は風邪の影響もあってか、下痢を繰り返した。ちょっと「体の声にじっと耳を澄ませよう」というスタンスから、別の立ち位置に移動しないとだめかなぁと感じて、近所の小児科に行ってみた。
自分の判断に迷いが生じたときには訪ねる医者だった。でも「コホン」と咳をしただけで医者を頼るタイプのママを長女のときに卒業したので、赤ちゃん時代から11才の今まで世話になった回数はそう多くはない。
先生、この子、胃腸が弱いのか、よくおなかを痛がるんです。月に一度くらいはそれが原因で休むこともある。いつから…5年生になってからでしょうか。それが長く続くということもないので今まで対処してきたけれど、最近風邪なのか違う要因なのかよくわからなくて。この先どういう風に対処していくやり方があるのかご相談してみたくて。
先生はいきなり怒り出した。
そんな! そんな前からのことを今日一日でどうしたらいいかなんかわからない! とりあえず血液と尿の検査をするよ!(おなかを触診して)さわった感じはとくに緊急事態という感じはしないけど、結果が出るまでなんの薬も出せないし。心的なものだったら他の機関を紹介するよ。うちでは診きれないから。検査結果が引っかかるようなら他の大きな病院に行ってもらうよ!
うわぁ、きた、と思った。あたしはすごくいい小児科の先生を知っているんだけど、家から車で約40分かかる場所にあり、他の娘も家に置いてきているので、近場でとりあえずとこの個人医院にやってきた。この医者に求めることは、最初のスクリーニングテスト、目に見える検査結果を確認して、できれば先生の「大丈夫!」というお墨付きをもらい、次女が安心して自分の体と向き合うこと。あたしが確信を持ってこの子に対し甘く厳しく対応できる根拠。
でもい言い方が悪かったのか、先生は責任を押しつけられたり、自分の子どもの体のことを丸投げにして寄越すタイプのお母さんが全身で頼ってきたと思ってしまったらしかった。少し会話すると落ち着いて穏やかな口調に戻ったけれど、あたしは内心しょんぼりだった。
数日おいて昨日、検査結果を告げる場面で先生は、とてもうれしそうに「あなたの体はなんにも悪くありません。全て順調。貧血も炎症反応もホラなーんともなし。ついでに血液型を調べてなかったっていってたね。わかったんだけど聞きたい?…何型がいい? じゃ〜ん!B型でした〜!」。万事OK!といった様子で明るく娘を診察室から送り出してくれたのだった。次女の表情も和らいでおり、恥ずかしそうに照れ笑いしていた。
自分なりの情報網があり、アプローチ法はもう考えてあったので、この先を先生には求めなかったが、もしも求めたら先生はなんと言っただろう。事実、検査の結果はクリアであっても、次女の腹痛も不調も治っていないのだ。でも一応目的は達成。自分の体もむすめたちの体も、一番大事に思えるのは身近な者。医者ではない。お医者さんの役目は今回くらいのクールさがあっていい。突きつけられるもんね、判断はしてあげる、でもさじ加減は自分でせよ、と。それと先生は少ない会話の中から、あたしが全面的に先生を頼らないということも素早く判断したんだろう。
自分の判断に迷いが生じたときには訪ねる医者だった。でも「コホン」と咳をしただけで医者を頼るタイプのママを長女のときに卒業したので、赤ちゃん時代から11才の今まで世話になった回数はそう多くはない。
先生、この子、胃腸が弱いのか、よくおなかを痛がるんです。月に一度くらいはそれが原因で休むこともある。いつから…5年生になってからでしょうか。それが長く続くということもないので今まで対処してきたけれど、最近風邪なのか違う要因なのかよくわからなくて。この先どういう風に対処していくやり方があるのかご相談してみたくて。
先生はいきなり怒り出した。
そんな! そんな前からのことを今日一日でどうしたらいいかなんかわからない! とりあえず血液と尿の検査をするよ!(おなかを触診して)さわった感じはとくに緊急事態という感じはしないけど、結果が出るまでなんの薬も出せないし。心的なものだったら他の機関を紹介するよ。うちでは診きれないから。検査結果が引っかかるようなら他の大きな病院に行ってもらうよ!
うわぁ、きた、と思った。あたしはすごくいい小児科の先生を知っているんだけど、家から車で約40分かかる場所にあり、他の娘も家に置いてきているので、近場でとりあえずとこの個人医院にやってきた。この医者に求めることは、最初のスクリーニングテスト、目に見える検査結果を確認して、できれば先生の「大丈夫!」というお墨付きをもらい、次女が安心して自分の体と向き合うこと。あたしが確信を持ってこの子に対し甘く厳しく対応できる根拠。
でもい言い方が悪かったのか、先生は責任を押しつけられたり、自分の子どもの体のことを丸投げにして寄越すタイプのお母さんが全身で頼ってきたと思ってしまったらしかった。少し会話すると落ち着いて穏やかな口調に戻ったけれど、あたしは内心しょんぼりだった。
数日おいて昨日、検査結果を告げる場面で先生は、とてもうれしそうに「あなたの体はなんにも悪くありません。全て順調。貧血も炎症反応もホラなーんともなし。ついでに血液型を調べてなかったっていってたね。わかったんだけど聞きたい?…何型がいい? じゃ〜ん!B型でした〜!」。万事OK!といった様子で明るく娘を診察室から送り出してくれたのだった。次女の表情も和らいでおり、恥ずかしそうに照れ笑いしていた。
自分なりの情報網があり、アプローチ法はもう考えてあったので、この先を先生には求めなかったが、もしも求めたら先生はなんと言っただろう。事実、検査の結果はクリアであっても、次女の腹痛も不調も治っていないのだ。でも一応目的は達成。自分の体もむすめたちの体も、一番大事に思えるのは身近な者。医者ではない。お医者さんの役目は今回くらいのクールさがあっていい。突きつけられるもんね、判断はしてあげる、でもさじ加減は自分でせよ、と。それと先生は少ない会話の中から、あたしが全面的に先生を頼らないということも素早く判断したんだろう。
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