愛しい夏の背中

2007年8月22日
大きな欅の木の下に寝ころび、葉の裏にしがみついたままの蝉の抜け殻を数える。きつい陽射しを避ければ、芝生を抜けてくる風は本当に爽やか。目を閉じて、ミーンミンミンミンミーン、カナカナカナカナカナカナ、ツクツクホーシツクツクホーシを聞き分ける。蝉が生きている季節にしかできない楽しいこと。あたしは夏が背中を見せて初めて愛撫を始める甲斐性なし。

見知らぬ人が近づいて来て、その公園で催される演し物のチケットをくれると言う。行けそうにないけど、一応もらって、お礼に楽器を体験してもらい、曲をプレゼントする。しばらくその不思議な雰囲気の人はあたしたちのピクニックマットから動かない。あらまぁどうしましょうと思い始めて大分経ってから、溶けたゼリーが滑り落ちるようにぬるりとどこかへ消えていった。公園と図書館には様々な人がいるなぁと今日も痛感する。

友人の実家で育った葡萄ピオーネとチケットは取引が成立して、今、ごちそうさまをしたところ。わらしべ長者わらしべ長者。

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