ゲロッパ ! / 井筒和幸
2004年7月21日 映画
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2004/04/09 ¥4,935 歯に衣つけぬ発言の数々で人気の映画監督・井筒和幸が、その威信にかけて演出した笑いと涙のエンタテインメント快作。収監を数日後に控えた組長・羽原(西田敏行)は、やり残した2つの事があった。ひとつは生き別れてしまった娘かおり(常盤貴子)に再会すること。もうひとつは大好きなジェームズ・ブラウンの名古屋コンサートに行くこと…
井筒和幸さんってかわいらしい。やんちゃでハチャメチャで。女を優しい気持ちにさせておくことができるオトコ、これすなわち、ワタシ的一番のいいオトコの条件なのです。きっと井筒さんは「いいオトコ」じゃないかなぁ。何年か前にこの監督の撮った「突然、炎のごとく」というショートムービーを観たけれど(たしかWOWOW関係の。トリュフォーとは関係ありませぬ)すっごく欲情させられました。またああいう「濡れる作品」観たいものです。ゲロッパ!はちっともいやらしくなかったので、娘どもと笑いながら観賞しました。
井筒和幸さんってかわいらしい。やんちゃでハチャメチャで。女を優しい気持ちにさせておくことができるオトコ、これすなわち、ワタシ的一番のいいオトコの条件なのです。きっと井筒さんは「いいオトコ」じゃないかなぁ。何年か前にこの監督の撮った「突然、炎のごとく」というショートムービーを観たけれど(たしかWOWOW関係の。トリュフォーとは関係ありませぬ)すっごく欲情させられました。またああいう「濡れる作品」観たいものです。ゲロッパ!はちっともいやらしくなかったので、娘どもと笑いながら観賞しました。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
2004年6月27日 映画
昨日「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を観に行ってきました。展開が速いのなんのって。この刊が大好きなわたしとしては、ちょっぴり物足りなさを感じてしまいましたが、でもおもしろかった。ただ単に難しいことなんか考えず、物語に浸って楽しめばいい、そんな映画です。ファンタジーの世界に理屈も説明もいらないし。
過去のない男/アキ・カウリスマキ
2004年5月6日 映画
(ネタバレだらけです!ご注意)
アキ・カウリスマキの作品を初めて観た。なんとも不思議な雰囲気。ながら作業の合間に見始めたのだが、気がつくとものすごく集中していた。なにせ冒頭の暴行シーンが凄まじい。絶対に死んじゃうな、という激しさ。しかし意に反して男は歩き、一度は死に、またもや意表をついて生き返る。この主人公の”過去のない男”が黙ってする、さまざまなことの裏にある心をいちいち想像させられる。歌謡曲というのか演歌というのか、流れている独特の音楽が、効果的に寡黙な男の心をこちらの心へと流し込んでくる。「あれ?」歌詞が日本語だ。誰が歌っていたのだろう?と確かめてみると、なんとクレイジー・ケン・バンドだった。この映画のサイトhttp://www.eurospace.co.jp/kako/index2.htmlのサウンドトラックの解説に「クレイジーケンバンドの<ハワイの夜>が流れる場面は、日本人にとっては爆笑モノなはずだが、なぜか切ない…>とあるが、全くその通り。クレイジーケンバンドもよかったが、わたしは老女性シンガーの唄う歌がとても気に入った。しみじみと沁みてくる。強烈な印象は残さないけれど、なぜかこうして翌日もなんとなく思い出してしまうような、そんな映画。
DVD アミューズソフト販売 2003/09/26 ¥3,990 フィンランドの異才アキ・カウリスマキ監督が、記憶をなくした男の戸惑いと淡い恋をしみじみと語る、カンヌ映画祭グランプリ&主演女優賞受賞作。ヘルシンキにやって来た男が暴漢に襲われ、記憶喪失に陥ってしまう。彼は港湾のコンテナで生活を始め、食事や服の面倒をみてくれる救世軍の女性に恋をするが、銀行強盗に巻き込まれたことから…
アキ・カウリスマキの作品を初めて観た。なんとも不思議な雰囲気。ながら作業の合間に見始めたのだが、気がつくとものすごく集中していた。なにせ冒頭の暴行シーンが凄まじい。絶対に死んじゃうな、という激しさ。しかし意に反して男は歩き、一度は死に、またもや意表をついて生き返る。この主人公の”過去のない男”が黙ってする、さまざまなことの裏にある心をいちいち想像させられる。歌謡曲というのか演歌というのか、流れている独特の音楽が、効果的に寡黙な男の心をこちらの心へと流し込んでくる。「あれ?」歌詞が日本語だ。誰が歌っていたのだろう?と確かめてみると、なんとクレイジー・ケン・バンドだった。この映画のサイトhttp://www.eurospace.co.jp/kako/index2.htmlのサウンドトラックの解説に「クレイジーケンバンドの<ハワイの夜>が流れる場面は、日本人にとっては爆笑モノなはずだが、なぜか切ない…>とあるが、全くその通り。クレイジーケンバンドもよかったが、わたしは老女性シンガーの唄う歌がとても気に入った。しみじみと沁みてくる。強烈な印象は残さないけれど、なぜかこうして翌日もなんとなく思い出してしまうような、そんな映画。
DVD アミューズソフト販売 2003/09/26 ¥3,990 フィンランドの異才アキ・カウリスマキ監督が、記憶をなくした男の戸惑いと淡い恋をしみじみと語る、カンヌ映画祭グランプリ&主演女優賞受賞作。ヘルシンキにやって来た男が暴漢に襲われ、記憶喪失に陥ってしまう。彼は港湾のコンテナで生活を始め、食事や服の面倒をみてくれる救世軍の女性に恋をするが、銀行強盗に巻き込まれたことから…
ドッグヴィル/ラース・フォン・トリアー
2004年5月3日 映画
この監督の映画を観ると、必ず胸に浮かぶことがある。それは子供時代の記憶だ。16才の頃のわたしは、山間部から高校へのおよそ10キロの道のりを、雨の日も風の日も晴れた日も、そして病める時も健やかなる時も、自転車で往復していた。自転車をこいでいる時のわたしは、絶えずとりとめのないことを考えていたものだが、その考え事を妨げるのは、信号機の光の色だった。
誰が言い始めたのか憶えていないが、きっと迷信好きな友人が言ったんだろう「信号が黄色から赤に変わる間に横断歩道を渡れたら、その日はラッキーデーになるんだよ」。
わたしは小学生の頃からこの類いのジンクスが大好きで、誰かが「フォルクスワーゲンビートルを見た数だけいいことがある」と言えば必死で数え、挙げ句、家族で車に乗ってどこかへ出かける時などには「(ワーゲンを)最初に見つけた人にのみラッキーが訪れる」などという珍妙なルールまで作り上げ、当時は父母さえもその早い者勝ちゲームに夢中になったものだった。
高校生になった私は、心の隅ではばかばかしいと思いながらも、またもやジンクスゲームを始めてしまった。黄色になりかけの信号に飛び込んでゆく。それが楽しくてならない。右折車にクラクションを鳴らされようが、警官にピーッと笛を吹かれようがお構いなし。何か「いいこと」がほしい。できればいくつもほしい。今日仮に「いいこと」がなかったとしたら、多分「いいこと」は明日に繰り越されたんだろう。
今思えば「アンタ大丈夫?」と首を傾げたくなるような思い込みだが、当時の私は父母の離婚問題、またそれに伴う引っ越しや転校など様々な不安にまみれていたので、きっとひとつでも多くのラッキーを必要としていたのだと思う。
長々と愚にもつかないことを書き連ねてしまったけれど、本当にこの監督の作品を観るたびに、嬉々として黄色信号へと突っ込んでいったあの気持ちを思い出す。あの気持ち。多分わたしは身を賭して祈っていたのだろう。もしも車に轢かれても、ひょっとしたらわたしは笑ったのではないか。奇跡の海のベスのように。疲れ果て横たわったグレースのように。
ところで、この作品のラストシーン。わたしの中の「かくあるべきわたし」は項垂れていたが、「かくしておくべきわたし」は拍手喝采を送っていた。最近、自分の中に棲む荒馬に手を焼くことが多い。それにしても。ニコール・キッドマンは美しかったです。
誰が言い始めたのか憶えていないが、きっと迷信好きな友人が言ったんだろう「信号が黄色から赤に変わる間に横断歩道を渡れたら、その日はラッキーデーになるんだよ」。
わたしは小学生の頃からこの類いのジンクスが大好きで、誰かが「フォルクスワーゲンビートルを見た数だけいいことがある」と言えば必死で数え、挙げ句、家族で車に乗ってどこかへ出かける時などには「(ワーゲンを)最初に見つけた人にのみラッキーが訪れる」などという珍妙なルールまで作り上げ、当時は父母さえもその早い者勝ちゲームに夢中になったものだった。
高校生になった私は、心の隅ではばかばかしいと思いながらも、またもやジンクスゲームを始めてしまった。黄色になりかけの信号に飛び込んでゆく。それが楽しくてならない。右折車にクラクションを鳴らされようが、警官にピーッと笛を吹かれようがお構いなし。何か「いいこと」がほしい。できればいくつもほしい。今日仮に「いいこと」がなかったとしたら、多分「いいこと」は明日に繰り越されたんだろう。
今思えば「アンタ大丈夫?」と首を傾げたくなるような思い込みだが、当時の私は父母の離婚問題、またそれに伴う引っ越しや転校など様々な不安にまみれていたので、きっとひとつでも多くのラッキーを必要としていたのだと思う。
長々と愚にもつかないことを書き連ねてしまったけれど、本当にこの監督の作品を観るたびに、嬉々として黄色信号へと突っ込んでいったあの気持ちを思い出す。あの気持ち。多分わたしは身を賭して祈っていたのだろう。もしも車に轢かれても、ひょっとしたらわたしは笑ったのではないか。奇跡の海のベスのように。疲れ果て横たわったグレースのように。
ところで、この作品のラストシーン。わたしの中の「かくあるべきわたし」は項垂れていたが、「かくしておくべきわたし」は拍手喝采を送っていた。最近、自分の中に棲む荒馬に手を焼くことが多い。それにしても。ニコール・キッドマンは美しかったです。