Sexy Command

2004年11月11日 読書
今、ウチではものすごくマサルさんが流行っています。長女が小学生時代を懐かしんで持ち帰ってきたのがきっかけで、みんなホットカーペットに這いつくばって暇さえあれば(暇を作って)熱中しています。

自分が子どもの頃に「ジャングルの王者ターちゃん」とか「シェイプアップ乱」とかを好んでいたのを考えるとなかなか「こら!」と言えません。自分もつい読んで笑ってしまうので「やめなさい!」とも言えません。

だけど、子どもの将来がちと心配。

Switch!

2004年11月4日 読書
この間、おっぱいの話を少し書いた。あんまりカウンターとかアクセス解析とか気にしないほうなんだけど、ひと気ないこの日記のカウンターが珍しくクルクルと回っていたのでちょっと見てみたら「おっぱい」で飛んできた人が結構いたみたい。

個人的な日記に書かれていることなので「こんな人もいるのね」と流し読みしてくれていたらいいんだけど、もしもおっぱいをあげたいのに出なくって苦しんでいる人が偶然読んで落ち込んでしまったら、わたしも悲しい。

いろいろな観点から見て「人間の乳を人間が飲む」ということは、正しいことだと思う。体に優しいし、他にもいいことを挙げればキリがない。だけど母乳育児に固執することはない。人それぞれでいい。赤ん坊を独り立ちさせるまでの期間、恵まれた環境にない人間は宇宙飛行士の孤独を味わう。決められた空間の中で、外界と遮断され、言葉の通じないかよわき者を相手に、自分の限界を試されることがあるだろう。

とことんがんばらなくてもいい。自分を追いつめなくてもいい。ただ自分が赤ちゃんだったら向き合う相手にどんな言葉をかけるだろう?と考えてみてほしい。ちょっぴり相手とswitchしてみてほしい。「あーあ、お母さんったらテンパっちゃって。気楽にやりなよ。ミルクでいいよぉ。オニみたいな顔してないで笑って笑って!」と言ってくれるかもしれないし、「あたし、だめなの!おっぱいじゃないと生ーきーらーれーなーいー!お母さん頼むよー!」と言って号泣するかもしれない。いろんな声が聞こえてくるだろう。でも多分どの子も「ボクの首を絞めてみなよ、泣きやむから」とは言わない。

それとも子どもを殴打して死なせてしまう人間には、そのような声が聞こえてしまうのだろうか? わたしは父に暴力をふるわれ続けて大きくなった人間だが、わたしには聞こえない。ただ狂気の存在が身の内に確かにあるということは知っている。うねる怒りが臨界点を超えたらどうなるのかも知っている。

おっぱいミルク時代に育児がうまくいかなかったとしても、その先の人生いくらでもその子とやり直せる。いくらでも足りなかったものを取り返せる。チャンスは何度でも訪れる。向き合う気がある限り。わたしは父を許し、わたしたちを置き去りにして消えた母と今は一緒に暮らしているし、若すぎて上手に育てられなかった長女には、幼かった頃足りなかった部分の埋め合わせをしつつ過ごしている。いつまで生きられるかわからないから、できることをできるときに一生懸命やるしかない。生後一年間の母親との関係がその人の性格を決める、とか、三つ子の魂百まで、とか、くそ食らえ!と思っています。
ISBN:4593504155 大型本 長田 弘 ほるぷ出版 2003/01 ¥1,680

秋口から読み聞かせの勉強を始めた。様々な年齢、業種の人々が集まって、絵本の内容や読み聞かせる時の注意点などを教わる。先生はこの道25年の超ベテランで笑顔の素敵な女性。今回の宿題本は「旅するベッド」。時間が足りず自分のところまで「さぁ!読んでみて!」という順番が回ってこなかった。心底ホッとする。この読み聞かせサークルは、このように一ヶ月に1〜2度勉強会を開き、そして週に一度小学校に出向き、各教室で読み聞かせをする。ママ友に誘われて参加しているのだが、人前で話すのが実はものすごく苦手なわたし。今は皆が読み聞かせするのを子どもに混じって聞いているだけなんだけど、そろそろ教室デビューする日が近づいている。ドキドキする。

らもさん…

2004年7月27日 読書
中島らもさんが亡くなってしまった…。
この本の中に出てきた「久恵」が、しばらくの間、頭の中に棲みついて困りました。とにかく強烈なキャラクター。「海辺のカフカ」のナカタさんと入れ替わりにやっと出て行ってくれた。
ダイエット中だし、こんな本を見つけたら迷わず読んでおかないと。一時期「中島らも、好きかも」と思っていた頃があったので、躁鬱病なのも、向精神薬が必要なのも、アルコール大好きなのも、昔咳止めシロップ中毒者だったのも知っていた。が、しかし、お縄にかかるほど今でも好きだったとは知らなんだ。

それにしても、ふてぶてしい囚人っぷり。そんなに高らかに収監者の権利を謳うのならば、古く且つ悪しき刑務所のルールに子供のように反発するのならば、最初からそんなところに入るようなことしちゃいかんがな…と冷めた目で読む。でもわたしも判りきったことを間違える。そのちょっとの間違いを他人は「そんなの簡単じゃん、直したらいいんだよ!」とカラッと笑うが、その「簡単」を正せないから人は苦しむのだ。簡単であれば簡単であるほど自分を憎んだりして。
とっても恥ずかしいカミングアウト。坂口安吾を今まで読んだことがなかった。先日「鬼譚」という夢枕獏編の短編集の中におさめられていた「桜の森の満開の下」を初めて読んだ。このような作品を書く人であったのか!と驚いた。わたしは桜の花に「あやし」を感じない質だったが、この作品は夕暮れの花見を盛り上げてくれるよいスパイスになりそうだ。

前述「鬼譚」は、他にも手塚治虫、山岸涼子の漫画、民俗学的な鬼考、そしてもちろん夢枕獏本人の作品などが(すべて鬼にまつわるもの)多彩に収録されていて、眠る前のひとときを楽しませてくれた。
頭の中にすーっと沁みとおる、わかりやすい言葉で「ひきこもり」について語られている。近年「バーストラウマ」ということがよく言われる。胎児の時代から出産を経て、生後の一年間までに負う心の傷が人生を左右してしまうと言う。吉本氏もひきこもりになりうる原因のひとつ(詳しくは母親と安定した関係を生後一年までに築けたかどうか)にこれを挙げる。わたし自身の人生を振り返り、また自分のしてきた育児を考える。やはり自分のしてきたような苦労を子供にはさせたくない。しかしさせたくはない、と思う反面、もし何か大変なことが持ち上がったとしても、それをたくましく乗り越えていける人であってくれ、とも願う。

それにしても、今現在ひきこもりの子供を抱える親がこの本を読んだらどう思うだろうか。もう随分大きくなってしまった我が子を前に「生後一年間がまずかったんだよ…」と繰り返し説かれてしまっても空しいばかりではないだろうか。それに恵まれた経済環境にない親たちは、一体どれくらいおっとりと「好きなだけ籠ってな」と構えられるだろうか。ちょっと腑に落ちないなぁとも感じた一冊。でも親としての視点からではなく、ひきこもっている本人が読んだらきっと救いになる本には違いない。

ISBN:4479390952 単行本 吉本 隆明 大和書房 ¥1,400 「ひきこもり」というと一般的に否定的に思われがちだが、吉本はこの現象の積極的な面を自己体験から解き明かす。不登校から話を起こし、子供のいじめ、いじめによる死、大人のひきこもりについて、独特のリベラルな考え方で常識をくつがえしていく手法はいかにも吉本流である。まず、著者は、自らひきこもりであったことを認めてしま…
I               

業柱抱き

2004年2月3日 読書
                       
久しぶりの雨降り。冷たい雨。出かけたくはなかったのだけれど
空っぽの冷蔵庫が大好きな私の性癖ゆえ、なんにも夕食の材料が
なくて。

しぶしぶ車のエンジンをかけてみたら、今度はなかなか家に帰り
たくなくなってしまった。あちらへぶらぶら。こちらへぶらぶら。
古本屋でものぞいてみようかと足を踏み入れたが最後、はまりこ
んでしまった。ひとりで買い物に出られることはまれなので、丹
念に丹念にあらゆるジャンルをのぞいて回る。

天野忠の「万年」と遠藤イヌの「天井丸い」を購入。両方とも詩
集だ。以前より天野忠という詩人の大ファンなのだが、普通の本
屋に作品が置いてあるのを見たことがない。見つけたときには本
当にうれしかった。何十冊とある詩集の中から気に入ったタイト
ルのものをパラパラとめくってみるが「これを買おう」と思える
ものにはなかなか出合えない。遠藤イヌの詩集の中で「染み」
というタイトルの詩が気に入ったので連れて帰ることにした。

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染み

一瞬だと思います
子猫の死体の匂いを思い出した朝
折り紙の鶴と マイルドセブンの絵
わたしが見る 一瞬なのだと思います
鳩がこちらをじっと見ていたときの姿だとか
どこか知らない女の子の伏せた瞼が
やさしかった事だとか
全てわたしに関わりの無い事だと

いつかあの人のTシャツの袖が
めくれていた事やなんかも
そのままで
とても堪え難いほど
一瞬間 感じるのです
わたしの中に永く残るもの
一瞬の出来事が


発行/杉並けやき出版 発売/星雲者
「天井丸い」遠藤イヌ

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