雑感(msg)

2006年6月14日
昨夜は早めに休んだのに、何度も睡眠を妨げられた。メールが来たことを知らせる震え、電話の子機を探し歩く長女の独り言、恋の花咲く野良猫の絡みつくようなだみ声、階下から立ち上ってくるコーヒーを点てる匂い。夢の中でも二胡の音階練習をしていた。もう3時間も経っているのに、ふわふわしてはっきり目が覚めきらない朝。

気に入りの農園では、今、ラヴェンダーの花が満開だという。いつ出かけよう。朝、子どもたちを送り出して、家事を済ませて、仕事に出かけ、仕事から帰ると娘たちの習い事の送り迎え、家事、気がつくと太陽はとっくに暮れている。

だけど土曜日だ。土曜日は空いている。久しぶりにひとりきりで過ごそう。いつからひとりで過ごす時間を失っていたんだったか。今はそれを思い出すことすら億劫だ。

季節は知らぬうちに移ろっている。紫陽花の花は色とりどりに咲き誇っているし、食べようと思っていたグミの実はいつの間にかなくなっているし、隣の奥さんは知らぬうちに亡くなっていた。近頃は隣近所にも告示しないやり方のお宅が多いらしい。不幸があったのは雰囲気でわかっても、どなたがなくなったのかわからなかった。斜向かいに住むおばさんが「てっきりおばあちゃんかと思ったけど、お嫁さんだったのよ。憎まれっ子世に憚るってよくいったものねえ!」と言った。思ってもそんな大きな地声で言わないでください、と祈りながら聞いていた。

また夏が来る。

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